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interview

にじのフモトでよろしく#01

ゆったり流れる七戸時間。
自然の中でゆとりある子育て。

三上 永里華さん

出身地:栃木県那須塩原市 移住年:2018年 
職業:一般社団法人しちのへ観光協会事務局職員

1994年生まれ。高校卒業後の2013年、地元・栃木で結婚。
その後、夫の転勤に伴い15~17年まで千葉県在住。
2018年1月、夫の出身地である七戸町にIターン。
長女・長男と夫の4人家族。

人のぬくもり、豊かな緑。

19歳で同じ職場の先輩社員だった方と結婚。翌年に長女を、さらに2年後、長男を出産。笑顔にはあどけなささえ残る三上永里華さんですが、24歳にして2児の母です。2018年1月、夫の実家がある七戸町にIターン。取材させていただいたのは、移住後初めての夏を迎える頃でした。

「真冬に引っ越してきたので、雪を片づけないと庭から出られないことに最初はびっくり(笑)。雪道運転も怖かったですが、ひと冬経験して慣れたかな。あとは方言。最初は全然分からなくて、今でもお年寄りの言うことは半分ぐらい分からないかも(笑)。でも、心は通じ合えていると思います。七戸の人は優しいから」
長女が生まれ、落ち着いて子育てのできる定住先を探し始めた時、栃木をすすめる夫を説得して『七戸町がいい』と決めたのは三上さん自身です。理由の一つは、八甲田山や高瀬川といった豊かな自然の中で子育てをしたかったから。年2回の帰省のたび、虫採りや雪遊びに興じる子どもたちの生き生きとした表情が忘れられませんでした。
そしてもう一つは、町の人々の温かさ。
「夫の両親はもちろん、親戚もみんなすごく気さくで親しみやすい。夫の実家に行っても全然気疲れはなくて、居心地がいいんです」
気さくさは町で出会う人々も同じ。スーパーで買い物をしていても、子どもを連れていると「かわいいね」「何歳?」とよく声をかけられるとか。

待機児童も
通勤渋滞もさようなら。

約1カ月の求職活動を経て、2018年5月からしちのへ観光協会のスタッフとなった三上さん。1日の始まりは朝5時、朝食の支度から。家事を済ませて8時半頃に自宅を出ると、子どもたちを保育園に送り届けて出勤します。18時までの勤務を終え帰宅。夕食、お風呂、寝かしつけの後、片付けものをして、やっと就寝です。
「忙しいといえば忙しいですけど、以前よりは楽になりました」と三上さん。移住前はスポーツ用品店でフルタイム勤務をしていましたが、入園希望日の半年以上前に申し込みをしても保育園に入れず、自宅から離れた無認可の託児所に預けざるを得ませんでした。通勤路は常に渋滞。通勤にストレスを感じていたといいます。
しかし現在、2人の子どもが通うこども園は自宅から車で2分。町の定住促進新築住宅建設補助金を活用してマイホームを建て、以前の集合住宅住まいに比べて空間的な余裕も生まれました。
また、園内に設置されている子育て支援センターも、大きな支えになったそう。
「入園前から園の様子を見たり、先生やほかのお母さんともじっくり話せたから、入園への不安はありませんでしたね。気軽に話せるママ友もできたし、先生方は今も『慣れた?』って声をかけてくれます」 
七戸町では町内の子ども園・保育園のほとんどに支援センターが併設されており、一時預かりや延長保育、障害児保育事業も行っています。

好アクセスを生かして
県内各所へ。
家族で季節を楽しむ。

三上さんファミリーを見守るサポーターは他にも。
「子どもが急に発熱した時も、『行ってあげて』と快く送り出してくれて。子育てに理解のある職場で本当に助かっています」
七戸町観光交流センターが現在の職場。東北新幹線七戸十和田駅に隣接しており、開業以来、利用者が増加傾向にある同駅はさまざまな人が行き交います。週末や祝日は繁忙期のため、休めない時は義母や叔母が子どもたちを担当。
「私だけじゃなく、地域で子どもを育てているというか。時間的にも精神的にもゆとりができた気がします。ゆったり子育てをしたくて越してきたので、その点は満足していますね」

休日の過ごし方にも変化が。

「関東在住の頃は遊びに行くならショッピングモールか遊園地。どこも混んでいるし、そもそも移動に時間がかかって疲れちゃう。でも今は、どこでもすぐに自然に触れられます」
夫婦とも釣りが趣味。陸奥湾まで足を延ばして海釣りや、町内の沼でブラックバス釣りも楽しんでいるとか。趣味と仕事を兼ねた県内の観光も欠かしません。春は世界に誇る桜の名所・弘前公園へ、初夏は町内の天王神社でつつじや東八甲田ローズカントリーのバラ園、秋は十和田湖・奥入瀬渓流の紅葉、冬は花火やイルミネーションが楽しめる「十和田湖冬物語」。季節ごとの自然を満喫しています。
「車で1時間も行けば青森市方面、十和田市、八戸市、三沢市とか、色々なところに行けるのがいいですよね」

新しい目標もできました。

「夫の祖母が自分で育てた野菜をよく持ってきてくれるんですけど、私も子どもたちと畑に挑戦してみたいなと思っています。果物が好きなので、七戸で採れるカシスとかキウイとか」
子育てに仕事。三上さんが忙しい日々も前向きに楽しめるのは、家族や地域、豊かな自然に元気をもらっているからかもしれません。